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受座受座(しっざ)は扉や窓の枠側に取り付けて錠前のラッチやかんぬきが入り込む受け部を作る金物や部材です。施錠した時にロック部が確実に掛かる位置を決め扉を閉じた状態を安定させる役目を持ちます。受座が適切だと開閉が滑らかになりガタつきや摩耗も抑えやすくなります。伝統的な建築では建具の納まりと意匠に合わせて作られ機能と見た目の両面で重要な部品として扱われてきました。
1.受座の起源と歴史的背景
受座の考え方は扉や建具を確実に留めるための工夫として古い時代から見られます。初期の住まいでは簡素な留め具で足りる場面も多かったとされますが人の往来が増え財産管理や私的空間の確保が重視されるにつれて施錠の仕組みが整っていきました。町屋や長屋が増えた時代には戸締まりの必要性が高まり錠前と組み合わせて受座が用いられる機会も増えました。こうした流れの中で受座は安全性と使い勝手を支える基本部材として定着していきます。
2.受座の構成と設置方法
錠前の動作を受け止める位置決め部材として作られます。構成要素は用途により変わりますが代表的には次の要素で整理できます。
a. 受座本体(しっざばこ): 枠側へ固定される中心部分です。木材や金属や合成材料が使われ建具の納まりに合わせて形が決められます。ロック部が当たる面は削れにくいように工夫されることがあります。
b. 受座スロット: ラッチやかんぬきが入り込む穴や溝です。深さと幅と位置が合わないと施錠が不完全になったり操作が重くなったりします。そのため錠前側の寸法と動きを前提に作られます。
c. 施錠装置との取り合い: 受座は錠前と対になる部品なのでラッチ先端が確実に収まる形状が求められます。必要に応じて当たり面を補強し確実に掛かる状態を作ります。
d. 取り付け金具: ねじや釘や固定金具で枠へ取り付けます。取り付けが緩むと位置がずれて施錠不良の原因になるため下地の強さと固定方法が重要です。
受座は建物の意匠と建具の種類に合わせて寸法や位置が調整されることが多く現場では建付けの状態を見ながら微調整されます。
3.受座の重要な役割
受座が担う役割は施錠の成立だけではありません。代表的な役割は次の通りです。
a. 防犯と安全性: ラッチやかんぬきが正しい位置で確実に受け止められることで不正なこじ開けへの抵抗が上がります。受座の固定が強いほど扉の保持力が安定しやすくなります。
b. プライバシーの確保: 施錠が確実になると区画を明確に分けられます。外部からの不用意な侵入を防ぎ安心感にもつながります。
c. 快適性の維持: 建具のガタつきを抑えると隙間が減り風や音の入り込みが軽減されやすくなります。気密性の考え方に沿った納まりにすると室内環境の安定にも寄与します。
4.受座のバリエーションと選択肢
建具の形式により形が変わります。代表例は次の通りです。
a. 引き戸用受座: 引き戸の錠や戸締まり金具に合わせて受け部が作られます。戸が横方向に動くため受け溝の位置と深さが重要になり戸先の納まりに合わせて設計されます。
b. 建具用受座: 室内の建具で用いられる留め具に合わせた受け部です。軽い操作で確実に留まることが求められ建具の見付け寸法に合わせて小型化されることがあります。
c. 窓用受座: 窓のクレセントや簡易錠の受けとして使われます。開閉の頻度が高い場所では摩耗しにくい材質が選ばれ位置ずれが起きにくい固定が重視されます。
5.受座における美的要素
目に触れる部位になることも多く意匠の一部として仕上げが工夫されます。伝統建築では金物の形状や彫りや表面仕上げで建具の格を整える例もあり実用品でありながら装飾性を担うことがあります。木部との調和を意識して色味や質感を合わせ建物全体の雰囲気を崩さないようにする考え方も特徴です。
6.まとめ
受座は錠前のラッチやかんぬきを受け止めて施錠を成立させる重要な部材です。正しい位置と強い固定が防犯性と操作性を左右し建具の安定や快適性にも関わります。用途に合わせた形状の選択と丁寧な取り付けにより性能が発揮され意匠面でも建築の魅力を支える要素になります。
